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きよい心と健全な良心と偽りのない信仰から生まれる愛

3 私がマケドニアに行くときに言ったように、あなたはエペソにとどまり、ある人たちが違った教えを説いたり、
4 果てしない作り話と系図に心を寄せたりしないように命じなさい。そのようなものは、論議を引き起こすだけで、神に委ねられた信仰の務めを実現させることにはなりません。
5 この命令が目指す目標は、きよい心と健全な良心と偽りのない信仰から生まれる愛です。
4 ある人たちはこれらのものを見失い、むなしい議論に迷い込み、
5 律法の教師でありたいと望みながら、自分の言っていることも、確信をもって主張している事柄についても理解していません。

テモテへの手紙第一 1章 3〜7節

テモテはパウロからミッションを与えられていた。それは、「間違った教え」や「作り話と系図に心を寄せ」る人たちにやめるよう命じることだった。「間違った教え」とは、モーセ律法の間違った解釈。「作り話と系図」は旧約聖書の登場人物を神話のようにしてものや、聖書の一部とされていないユダヤ人が書いた書物、またギリシャ神話から出てきているものと考えられる。

今日でも聖書に基づかない、人から人に伝え続けられている教えは多くある。偉い牧師に教えられたかもしれないが、聖書の教えと一致するのか?教会形成の中で培ったルールは多くあるが、それらは恵みと愛の元で実施されているのか?パウロは間違った教えを正す中で聖霊に導かれてたどりついた一言が、「聖書はすべて神の霊感によるもので、教えと戒めと矯正と義の訓練のために有益です」(2テモテ3:16)。聖書をベースとした議論だけが「信仰の務めを実施させる」ことができる。

テモテに与えられたこのミッションの目的は「きよい心と健全な良心と偽りのない信仰から生まれる愛」。愛が目的となっていて、それを可能にするのがきよい心、健全な良心、偽りのない信仰。きよい心を与えるのはイエス・キリストの十字架と日々聖化を成して下さる聖霊。健全な良心は、聖書や祈りを通して罪を日々の生活から押し出す戦いをすること、また悔い改めを通してキリストから恵を得ること。偽りのない信仰は、最後まで「勇敢に戦い抜き、走るべき道のりを終え、信仰を守り通」すこと (2テモテ4:7)。

この三つをこなすだけでも大変なミッションだが、これらから「愛」が生まれることが求められている。「きよい心と健全な良心と偽りのない信仰」がそろっている人がいるかもしれないが、それを義として他人に強いるのは愛ではない。「信仰の弱い人を受け入れなさい。その意見をさばいてはいけません」(ローマ14:1)。この箇所は、偶像に捧げた食事を食べるべきか、また安息日を聖なる日とすべきかを議論している人たちに向けられた言葉。私たちは誰も主人ではなく、相手を裁くことはできない。これは教会のリーダーであっても同じこと。「私たちはそれぞれ自分について、神に申し開きをする」(ローマ14:12)。私たちのすべきことは、互いを愛し、互いを立て上げること。「ですから、私たちは、平和に役立つことと、互いの霊的成長に役立つことを追い求めましょう」(ローマ14:19)。

残念ながら、この目的を見失っている人たちがいた。「律法の教師」なのに「むなしい議論に迷い込み」、「確信をもって主張している事柄についても理解して」いなかった。教会の「牧師」「教師」「役員」「長老」はみな、この危険性と実態を心得る必要がある。聖書を基準としない議論はむなしくなる。草刈りや掃除を誰がやるのか、という議論は教会のビジョンより重要なのか?「幻(ビジョン)がなければ、民は好き勝手にふるまう」(箴言29:18)。礼拝式典の中での人の立ち位置は、困った人々を助ける議論より重要なのか?「父である神の御前できよく汚れのない宗教とは、孤児ややもめたちが困っているときに世話をし、この世の汚れに染まらないよう自分を守ることです」(ヤコブ1:27)。

そして、おそらく最もリーダーたちが注意すべきポイントは、「確信をもって主張している事柄について」正しく理解する必要があること。ある神学論、牧師の教え、教団のルール、教理問答の内容について一定の理解をすることは可能だが、これらは本当に聖書に基づいているのだろうか?聖書のどこを読んで解釈すればこのような結論に至るのだろうか?ある人に、「何を根拠にこれを言っているのか」と問いたところ、「信仰問答にそう書いてあったから」「牧師がそういったから」と答えた人は多くいる。聖書は神の言葉だから、本当に確信を持てるのは聖書の教えだけ。

私たちには聖書が与えられているので、リーダー・信徒問わず聖書を読み、聖霊に導かれて理解を得て、生き方に当てはめていくことができる。「きよい心と健全な良心と偽りのない信仰」を育み、「愛」が生まれることを常に確認したい。

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